平成野鯉釣り春夏秋冬4

平成4年は、世界を見ると、スペインでバルセロナオリムピックが開催され、旧ユーゴスラビアが崩壊しボスニア内戦が本格化しました。
また、湾岸戦争に勝利したブッシュ大統領が落選し、クリントンがアメリカ大統領に選ばれました。
日本では、佐川献金疑惑で金丸信氏が議員を辞職し、政局が混迷しました。そして、PKO協力法が成立し、カンボジアへ自衛隊員と警察官らを派遣しました。
また、100歳のアイドル『きんさん・ぎんさん』が新語・流行語大賞の年間大賞に選ばれました。
野鯉釣りでは、全国鯉釣り協会結成に向け、5月に琵琶湖で合同釣行会が開催され、遂に10月には第1回日本オープン琵琶湖・野鯉釣り大会が開催されました。
私は、日本野鯉紀行第2部の西日本への野鯉釣りの旅を行い、その最中に師とも仰ぐ小西茂木氏が逝去されました。
日本の野鯉釣り及び淡水大魚釣りをリードしてきた小西氏の死は、日本の野鯉釣り界において大きなショックであり、時代の大きな転換点となりました。
西日本の釣りの旅から戻ると、留守番電話のテープが終了していて、小西茂木氏の逝去を知らせることづてで満杯になっていました。
今回、西日本の旅で九州の釣行後、なぜか気が急いて中国地方を駆け足で通り過ぎましたが、何か虫の知らせのようなものがあったのかもしれません。
小西氏が無くなって1週間後に筑後川で小西氏の愛する遊動ウキを駆使する中本氏に巡り合ったのも不思議な縁でした。
迷信や運命といった不合理なものをあまり信用しない私ですが、このときばかりは何か不思議なものを感じたのでした。
小西氏の死は、淡水大魚釣りを築いた昭和という一つの時代の終りを告げ、新たに全国の野鯉釣りの輪がネットワーク化される平成の時代が始まろうとしていました。
野鯉釣りの大きなうねりが始まりを告げていたのです。